やっぱりアルコールは痛風に良くないのか?
2019年08月09日
テレビ等で「プリン体0(ゼロ)のアルコール」と紹介されたりして、お酒販売店ではいくつもの商品が並んでいるのを目にします。
「風が吹いただけでも痛い」と表現されてしまうような激痛を伴う「痛風」は、このプリン体と大きな関係があります。
これが体内に存在することで、それが元となり尿酸が生まれます。
この尿酸は人間誰しもが持つ成分なのですが、体内に多くを留めないように適切に分解し、体外に排出することが正常です。
この尿酸が何らかの理由で分解されず、体内に多く蓄積されてしまう状態が高尿酸値であり、このような状態になってしまうと「痛風」という症状を引き起こす可能性が高いというわけです。
では尿酸が何かしらの原因で体内に多く残ってしまうのはどのようなケースなのでしょうか。
その1つが、プリン体を多く含む食べものや飲みものの過剰摂取です。
よく痛風の天敵とも考えられているのが、ビールを中心としたアルコール類です。
実際にアルコール類には多くのプリン体が含まれているので、痛風持ちの方や、その恐れがある方にとってはあまり良くありません。
しかしながら、アルコール単体で見るとそれほどプリン体が高いとは言えません。
もっと多く含まれている食べものは他にあります。
しかしアルコールの怖いところは、その摂取する量にあると言えます。
お酒が好きな方は、ついつい飲みすぎてしまったような経験をお持ちではないでしょうか。
つまり、アルコール類を過剰に摂取することが危険であり、利尿作用も低いために、どんどん体の中に溜まっていってしまうのです。
また、お酒の影響で、つい食べすぎてしまったり、暴飲暴食に繋がってしまうようなシーンを招いたりする可能性が高いです。
「1杯だけ」でおさまるのであれば良いのですが、その1杯が引き金となり、タガが外れたようになってしまうのがアルコールの怖いところです。
このように痛風は食生活や生活習慣の乱れが原因となり、激痛を発症してしまうケースが多いのです。
ストレスにならない食事制限方法
アルコール類は確かにプリン体を多く含んでいる為に、多く摂取すると痛風を発症をしてしまう原因となります。
では冒頭で取り上げた、プリン体0のアルコールであれば問題ないのでしょうか。
残念ながらそうではありません。
実はこれには理解を深めなければいけないことがあります。
プリン体というのは、人間が食べる・飲むという行為で摂取される量よりも、体内で合成される量の方が圧倒的に多いという事実があります。
つまり、身体の中に入れる前はプリン体の存在しないアルコールであったとしても、それを体内に取り込むことで、そのアルコールからプリン体を発生させてしまうのが人体のメカニズムです。
ですので、プリン体0は紛れもない事実なのですが、結局飲んでしまうと体内でプリン体は生まれてしまうのです。
また、食べものや飲みものが原因でなくてもプリン体は発生します。
例えば激しい運動によるものです。
お酒を飲んだり、プリン体の多い食べものを摂取していなくても、激しい運動をすることによって身体の中で勝手にプリン体が合成されてしまいます。
しかし、意識過剰になって、変にストレスを溜め込むことは良くありません。
多くの食べものには少なからずプリン体が入っているために、それを避けようとすると余計なストレスが生まれてしまいます。
そうなると、そのストレスが原因で食生活や生活習慣が乱れるという本末転倒な状態になりかねません。
また、激しい運動が危険だからといって、運動をやめてしまうことも良くありません。
適度な運動をすることによって、新陳代謝を促進することで肥満を防止するなどして、痛風を発症しにくい身体を作ることが大事です。
内臓脂肪が蓄積すると尿酸産生が促進されしまいます。
プリン体が極端に多い物に関しては、なるべく食べないように心がけるか、少量にして、アルコールは控えるようにしましょう。
もしアルコールを飲みたいのであれば、焼酎がまだマシだと考えられます。
しかし、結局アルコールが原料となりプリン体が合成されてしまうので、「焼酎だから大丈夫」という考えは通用しません。
結論、一般的にバランスの良いと言われる食生活をおくるようにして、過剰な飲食は控えることがストレスにならない食事制限方法と言えます。
そして、もっとしっかりとした食生活を検討されているのであれば、やはり専門家の意見を聞くべきです。